声明・談話

年頭所感

 会員の皆様、新年明けましておめでとうございます。
 昨年末は自民党における政治資金の問題で多くの閣僚の交代が起き、その以前にも組閣直後からの閣僚の不祥事が続くなど、安倍政権以降に貯まった膿と奢りが表面化し、政治の底が抜けたようでした。不適格な閣僚らによる政権は国民の支持が低いにも拘わらず、安全保障政策、エネルギー政策など、日本の将来を大転換させる方針を決めてしまっています。
 日本の経済は力を失っていると感じている方は少なくないでしょう。30年来続く新自由主義経済は、それまでの日本の蓄積、経済力も知力も労力も徹底的に絞り利益を追求しましたが、社会には拝金主義と疲弊が残り凶悪事件の要因にもなっているのではないでしょうか。
 岸田首相が「コストカット型経済」と称し、過去の失政、悪政からその転換を図ると決意を示したことは重要ですが、政策をみれば大阪万博に象徴されるとおり、過去の重工業型施策の焼き直しばかりです。世界経済を牽引する企業は日本には無くなり、旧来企業に内部留保だけが空前の規模で蓄積更新が続いています。政策の誤りと歪みは、医療政策にも顕われ、現行憲法の三原則である、基本的人権の尊重、平和主義、国民主権が軽視されています。身近な施策では「医療DX」がまた然りです。
 診療、治療など医療そのものの利便性よりも、医療人から国民、患者の医療データを集約することに最大力点がおかれ、医療者にも国民にも徹底して協力が強く求められています。保険証廃止やオンライン資格確認システムへの参加義務化、レセプトのオンライン請求義務化などが象徴的です。医療界は昨年一年振り回され続けました。
 政府が医療界を軽視していることは散見されますが、保険医協会は会員の皆様方から協力を得てマイナ保険証トラブルやCOVID-19関連の調査結果をメディアに紹介するなどして開業医の状況を伝える活動に勤しんだ他、県内の弁護士会や労働組合など様々な方々とご一緒に保険証存続運動に取り組みました。
 診療報酬を大幅に引き上げる活動にも努力をいたしました。最後まであきらめることなく診療報酬大幅プラス改定を目指し、会員の皆様の声と合わせて議員の方々に訴えました。改定施行は六月となりこれまでの改定とは大きく様相が変わりそうです。新点数説明会は、3月~4月、5月、7月と複数回の開催と、前回に好評だった動画配信も合わせて予定します。改定内容の理解や問題点の把握にぜひご利用ください。
 
 2024年も厳しい一年に違いありませんが、住民、県民、議員の方々に、開業医の声を届けるべく、協会活動を邁進させてまいります。
 また、協会の「3つの基本方針」①憲法に基づく公平性、②合理的かつ論理的運動の展開、③EBM(科学的根拠に基づく医療の提供)に基づき、4300人の会員の皆様方と協会の発展に向け一層力を尽くします。今後のご協力をお願いし、年頭の挨拶といたします。
2024年 元旦
埼玉県保険医協会理事長  山崎 利彦

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